カミユの「最初の人間」(映画)のメッセージ

カミユは実存主義の思想家・作家で、「異邦人」「シジポスの神話」などの作品があります。
最年少でノーベル文学賞をもらっています。


カミユは、私が若いときに傾倒した思想家です。
彼は、人間とは苦難を抱えていきる存在であるという考えをもっており、人間が抱える
苦難は不条理なものであり、安易な乗り越えの考えなどは幻想を振りまくものである、
それよりも苦難とともに生きることが一番人間にとって大事なのだと考えています。


そうした彼の考えがどこから生まれてきたのかがわかるような映画です。
この映画は彼が56歳で自動車事故で死んだときにカバンの中にあった未完成原稿を
もとに作られています。
カミユはかつてフランス領であったアルジェリアで生まれ育ち、やがてフランスで大作家になります。
しかしアルジェリアはフランスから独立します。

映画はアルジェリアのフランスからの独立戦争の中での一人の作家(カミユの代弁者)=フランスで
成功したアルジェリア人の苦悩を描いたものです。
―この映画の内容は、現在のフランスにおける移民たちの苦悩と重なっています―


主人公の最後の言葉が印象的です!
「私はアルジェリアの独立を支持します。しかし殺し合いの独立=武器を持った戦いは支持しません」