「トクホの食事」―変だと思います!!

健康に長生きするための食事の基準作りに厚生労働省がまた新たな施策を出すそうです。トクホ(特定保健用食品)の食事版を作るそうです。


トクホ食品は我が家でもなじみがあります。健康上少しでもコレステロールを下げた方がいいと思い、トクホマークの入ったコーラやお茶、脂肪0マークのヨーグルト、最初は「信用しないで」買っていたのが、今では癖になって、冷蔵庫の必需品にまでなっています。特定の食品に「トクホ」と表することは、消費者の食品選択の自由のもとにあるので問題ないように思いますが、特定の食事に「トクホ」と表するというのはどういうことでしょうか。


新聞の情報では、どのような食品の組み合わせが生活習慣病の予防や健康づくりに役立つか、一回の食事に必要な野菜何グラム、魚肉何グラムを取るといいかを、厚労省が「トクホの食事」として示すのだという。
これは推奨食料品ではなく、推奨「料理品」、推奨メニューの提示のようだ。

国民の毎日の食事作りは大変でしょうから、しかも間違った食事作りしているので、(「タニタの食堂で出せるような)こういう健康モデル的な料理を食べた方がいいですよと、推奨しようというのだろうか。
これがでれば、おそらくトクホ食事の弁当、トクホのサラダ、トクホメニューのあるレストランなどができるだろう。

これは、おそらく、トクホ食事を販売する業者や大手コンビニなどと手を組んで、私たちの消費購買を促進し、日本経済の活性化を図ろうという政府の方策なのかも知れませんね?


いや、それだけではないでしょう。食事の自由をこよなく愛する私にはこうした上からのお達しは一番嫌です。なにしろこうしたことはまさに日本的で、まるで私たちの食事を「管理」「評価」しつつ、それを利用して国の経済効果を上げようとしているようにも思えるからです。食事は自由を原則にしてほしいです。


たしかに健康や病気予防は大事です。でも私たちの「食事」のあり方は健康のためにのみあるわけではありません。毎日の食事はそれぞれの家計や嗜好や心身状況のなかで自由にしたいものです。これは現代の食事文化の豊かさでもあります。それなのに、「健康」という指標を「上から」提示され、それを見本にして毎日の食事をしなさいと要求されるみたいです。これでは、私たちはまるで「可能病人」のように見られていることになるのではないでしょうか。


いやトクホ食事は、そうした国民の健康への気遣いという理由は表向きのことであって、本音は、トクホ食品が売れたので、今度はトクホ料理品を売ろうという経済優先主義にあるように思います。