文化遺産となった和食を強制されたくない

和食がユネスコ文化遺産に登録されたと昨年末から大騒ぎである。
だがそのことの意味について、知っている人は少ないのではないだろうか。
登録されたのは和食料理ではなく、和食という文化なのである。
しかもコメを基本にして一汁三菜の食生活が推奨されているのだ。

京都ではこれを受けて、来年から、週1回あるパン食をやめて米ごはんにし、牛乳も味噌汁に変えようとの教育委員会が議論しているそうだ。
これでは戦前の給食のあり方を同じではないか。
首相が靖国神社を公式訪問したことが問題となっているが、先の秘密保護法の強行採決に見られるように、日本全体が右傾化しつつあるなか、和食文化の推薦も同じようなにおいがし始めた。
なんとなく和食は日本人の精神を体現しているのだから、食べるべしというような声が少しずつ聞こえてくるからだ。

和食は健康食としてはいいように思うが、食べ物は人や国家によって強制されるものではないからだ。

人が幸せであることを実感できるものは、好きな人がいることと好きな食べ物を食べることではないだろうか。