「世界が食べられなくなる日」

「世界が食べられなくなる日」という映画を見た。生活クラブが会員向けに特別に上映したものである。

この映画は、「遺伝子組み換え技術」と「原子力原発」という現代の最先端の科学技術が食の世界にもたらしつつある「脅威」を描いたものである。
モンサントなどの多国籍企業がつくっている遺伝子組み換え作物はわたしたちの日々の食料、とくに味噌・豆腐・醤油・サラダ油などの材料(トウモロコシ・大豆・菜種など)にすでに使用されているが、安全性の危険や生態系への影響が心配されている(現在TPP交渉で問題になっている)。原子力の脅威は、チェルノブイリや「フクシマ原発事故」がもたらしている放射能汚染の問題である。二つとも食の世界のみならず、わたしたちのいのちの世界の未来にまで破壊的な影響を及ぼす恐れのあるものである。
しかしこれらの技術を進めようとしている側は、「危険性は科学的に証明されていない」というー証明しようとしないのだといってもいい。
それに対して、これらの技術がもつ危険性を実験検証しようとしているフランスの科学者たちの挑戦を取り上げたのが、この映画である。


映画の内容について、公開されているチラシを引用すると
「2009年、フランスである動物実験が極秘に開始された。それはラットのエサに遺伝子組み換えトウモロコシ、農薬(ラウンドアップ)を、いくつかの組み合わせで混ぜて与えた長期実験だった。実験期間は2年、ラットの寿命に相当する期間である。現在、市場に流通している遺伝子組み換え食品の安全基準は、ラットに遺伝子組み換え作物を3ヵ月間与え続けても問題がないという実験結果をもとにしている。人間の寿命を80歳とすれば、ラットの3ヵ月は人間の10歳に相当する。 分子生物学者、ジル=エリック・セラリーニ教授が行ったこの世界で初めての実験は、2012年9月に専門誌に発表され、フランスをはじめとしてヨーロッパ諸国、そして世界中に大きな波紋を投げかけた。」


しかし遺伝子組み換えなどの科学技術に対して、映画はアグロエコロジーに未来の食の世界に希望を託しているが、それは未知数が多いように思う。