健康な食事認証マーク

政府は来年4月からコンビニやスーパーなどで販売されている弁当やお惣菜に「健康な食事を普及するためのマーク」を付与する制度を導入することを決めたそうです。
厚生労働省が決めた基準を満たした製品に、黄色(主食)、赤色(主菜)、緑色(副菜)などの「マーク」(円で表示)を付けて、栄養バランスのよい食事を推奨するという。

健康な食事のあり方についてはいろんな考え方があろうが、こうしたことが食に関する国の認証制度として掲げられることはどうなのか。食の専門家たちや食にかかわっている団体などからも疑問や批判が出されているようだが、私がいま考えられるだけでも、以下のような問題があるように思う。


?審査基準の問題:付与するための審査機関がなく、販売業者の自己申告によるそうだ。認証の客観性が欠けている。 
?食品の安全性の問題:添加物や農薬などに関する基準は保証されているのか。食の安全性の保証の無い「健康」はない。こちらの方を認証の基準とすべきだと思う。
?1食のカロリー基準の問題:毎日の食事内容は1食の食品で決まるわけではない。食事のバランスとは個別食品で表されるものではない。
?形式主義:主食・主菜・副菜というような考え方は今日の多様な食文化についての理解が欠如している。
?個別食品についての「認証」という考え方は、国による食の「管理主義」であっても、今日の食の自由化・民主化を阻害する面がある。
?何のための認証制度なのか。はたして国民の健康のためなのか、特定の販売業者の利得になる恐れがある。国の食政策の本質から外れているように思う。