「食の格差」、子どもの食と貧困

二つの重要なニュースがあった(東京新聞Webニュース4月5日)。その一つは「子どもの食と貧困 初調査へ 健康格差を懸念」

 厚生労働省が子どもの食事、栄養状態と、保護者の収入や家庭環境との関連性について、初の全国調査を実施することが4日、分かった。
 現在日本では、18未満の6人に1人が貧困状態にあるとされ、「子どもの貧困」が社会問題になっている。親の経済的事情が、子どもの体の基盤をつくるのに最も大切な乳幼児期の食にまで影響を与えかねないと懸念が強まっている。非正規雇用の増加などによる「格差社会」が子どもの健康格差にまでつながっているとのこと。
 厚生労働省によると、1985に10.9%だった日本の子どもの貧困率は2012年に16.3%と過去最悪になった。ひとり親世帯は特に深刻で、54.6%に上る。「収入が少なく食費を削らざるを得ない」「働きづめで、食事を作る時間的余裕もない」と親たちの悩みは切実だ。

 新潟県立大の村山伸子教授(公衆栄養学)たちの調査によれば、「朝食の欠食率が高い」「野菜の摂取頻度が低い」「インスタント麺を食べる頻度が高い」といった傾向が貧困糧にみられ、「ふりかけご飯だけ、麺類だけという家庭が多かった」という。こうした子どもたちの食事状況には経済的要因に加え「健康の維持には栄養のある食事が必要との知識が乏しい」とも分析している。
 厚生労働省は、こうした不十分な食生活を送っている子どもたちの家庭の社会的、経済的傾向を分析し、支援策づくりに役立てるという。九月に調査を実施し、来年三月までに結果を公表する予定だ。六歳未満の子どもがいる全国の約三千世帯を対象にすることを想定している。